インデックスファンドの運用報告書を読み解くための、カンタン3つのポイントとは?

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ファンドに投資していると、
定期的に運用報告書が届くと思います。


が、そのまま放置したり、
ほとんど見ずにそのままポイ!っと
捨てたりしていませんか?(笑)


ファンドの状況を、定期的にチェックすることは
投資を継続するためにも大切なことです。


先日決算日のあった
SMTグローバル株式インデックス・オープンの
運用報告書を例に、
報告書を読み解くポイントを
お伝えします。



月次運用レポートと運用報告書

ファンドが発行する報告書には、


  • 毎月発行する、月次運用レポート。月次レポートや、単に運用レポートと言われることも。
  • 決算期ごとに発行する、運用報告書。概要だけのもの(交付運用報告書)と、全体版の2パターンがある。


の2種類があります。

月次運用レポートは毎月々、ファンドの状況を伝えてくれる
数ページ程度の簡単なレポートですが、
よほど時間に余裕のある人でない限り、
毎月チェックするのは大変だと思いますし、
その必要もないと思います。

必要に応じて参照すればいいでしょう。


一方、決算期に発行される運用報告書は、
年に1〜2回発行されるもので、
10〜数十ページにわたる詳細なものです。

発行の頻度は低いものの、
わりとガッツリ書かれているので
尻込みしてしまうかもしれません。


ただ、年に1、2回、ご自身が持っている
ファンドの状況を確認することは大切です。


そこで、運用報告書をラクにチェックするための
ポイントを解説します。



運用報告書を読み解くポイント

インデックス・ファンドの運用報告書を
読み解くポイントを解説します。

インデックス・ファンドについては
各資産クラス別、インデックスファンドの実質コスト、資産、売買高比率を一挙比較
などを参考にしていただければいいですが、

今回は先日決算日のあった
SMTグローバル株式インデックス・オープンの
交付運用報告書を例にします。


  • 決算期を確認する

手元にある交付運用報告書には、

第16期(決算日 2015年11月10日)
作成対象期間 2015年5月12日〜2015年11月10日


とあります。

ここでは
11月10日までの、半年間の状況なんだな、
ということを押さえましょう。


  • どれぐらいコストがかかったか?
DSC_2577 ファンドには運営コストがかかります。
報告書に費用明細がありますので、
それをチェックしましょう。

以前は1万口あたりの費用(金額)しかなくて
計算が面倒でしたが、現在は比率も
掲載されるようになりました。

SMTグローバル株式インデックス・オープンの
運用報告書によれば、

0.307%

の費用ということになっています。

ここで注意したいのは
「半年間」の費用
だということです。

ポイント1で、運用報告書の
期間が半年だということを
チェックしましたね。

ここ1年間の費用を見るには
前回の運用報告書も合わせて
見る必要があります。

前回決算日2015年5月11日の
交付運用報告書によれば、

0.295%

の費用だったことが分かりますので、
合わせて 0.602% ですね。


大まかに把握するだけでいいのであれば、
今回(半年間)の費用 0.307 % を2倍する
だけでも構わないと思います。

(その場合の誤差は今回で約+2%)


重要なのは、
運用報告書に掲載のコストが
どの期間なのか?

ということと、
年間維持コストが妥当な範囲なのか?
ということです。


  • ベンチマークと連動しているか?
DSC_2578 インデックス・ファンドには必ずベンチマーク
(連動すべきインデックス)が存在します。

インデックス・ファンドの良し悪しは
どれだけベンチマークに忠実に連動しているか?
で決まります。

インデックス・ファンドの場合、
必ずしもベンチマークを上回るのが
良いわけではないですし、
ましてや基準価格が上昇さえすれば
それでいいというものでもありません。


あくまでも連動しているかどうか
をチェックするようにして下さい。


運用報告書にベンチマークとの差異が
記されていますので、必ず確認しましょう。

今回の運用報告書では、
基準価格がベンチマーク(-3.2%)を
0.9 % 上回っています。

費用がかかっているはずなのに、
ベンチマークを上回る!?


これはどういうことでしょうか。


報告書を読むと

差異の主な要因は、プラスの影響としては配当要因※、マイナスの影響としては信託報酬要因です。

※ベンチマークが配当相当分を含まない指数であることによって生じる差異要因です。


とありますので、基準価格には配当分が計上されているが、
ベンチマークには配当がないためにプラスになった、
と理解できます。

これら要因による差異が常識的な範囲に収まっていれば、
ファンドの運営に大きな問題がないことを
確認できます。



以上、3つのポイントを押さえておけば、
基本的な部分は大丈夫です。


え、これだけ!?


そう、基本はこれだけです。
意外とカンタンだったのではないでしょうか?



運用報告書「エキスパート」編


ここからは、より深い理解を得たいと考えている方向けの
運用報告書ポイントについてお伝えしますね。

上の3つのポイントで精一杯、という方は、
無理する必要はありませんが、
だんだんこういう部分まで読めるようになると
投資が面白くなってくると思いますので
将来的には頑張ってみてください。


  • 配当要因とは具体的にどの程度なのか?

ポイント3で基準価格とベンチマークとの差異を
確認しましたが、では具体的に配当要因には
どの程度の影響があったのでしょうか?

運用報告書から、大きく

「ベンチマーク騰落」+「配当」ー「信託報酬(コスト)」 = 「基準価格騰落」

式を整理すると

配当 = 「信託報酬コスト」+「基準価格騰落」ー「ベンチマーク騰落」

と考えられます。
今期の数値から

ベンチマーク騰落 = -3.2
配当       = ?
信託報酬(コスト)= 0.307
基準価格騰落   = -2.3

ですので、


配当 = 約 1.21%


なのが分かります。

配当は年間だいたい1〜3%程度であることが多く、
半年で1.2%は十分妥当な範囲だと思います。


SMTグローバル株式インデックス・オープンは
先進国の様々な株式に投資するファンドですが
海外の株式からこれだけ配当を受けたというのは
なかなか興味深い事実ですね。

同様に前期の配当を加えると
年間2.8%に達しますので
非常に大きいですよね。

もちろん配当を受けるとその分株価は下落しますから、
単純に配当だけで喜ぶべきものでもありませんが、
少なくとも利益がでてなければ企業は配当しませんから、
そういう深い意味では喜んでいいと思います。


長期投資では配当再投資が
大きく影響するという意味が
よく分かる事例です。


  • 翌期繰越分配対象額

分配金に興味のある方であれば、
「翌期繰越分配対象額」の数字にも
目が行くかもしれません。


翌期繰越分配対象額については
こちらの資料が分かりやすかったので
リンクしておきます。

知ってナットク 収益分配金(大和投資信託)

ポイントは

  • 経費控除後の配当等収益
  • 売買等による利益(評価益含む)
  • 分配準備積立金(上2つのうち、分配せずに繰越す分)
  • 収益調整金(既存投資家と途中参加の投資家との調整)


の4つの合算ということ。
さらにファンドの基準価格が下落したとしても、
分配対象額は減らないということです。

翌期繰越分配対象額が多ければ儲かっている、
ということにはならないのですが、
多ければ「内部留保してくれている」
傾向はあると思います。

なお、上場投信(ETF)では配当が必ず
投資家に還元され、自動で再投資できません。
面倒なのと、課税の繰り延べ効果が低い点は
ETFのデメリットです。


できるだけ留保して運用してもらったほうが
課税を繰り延べできるので、有利なことは
頭の片隅においておいて下さい。



  • 組み入れファンドの概要
DSC_2579 最後に、組入ファンドの概要についても
ざっと確認しておくと良いと思います。


特に、資産別配分、国別配分、通貨別配分をみれば、
非常に広範囲に分散投資している状況を
視覚的に把握できます。


これを見ると、ある一国への投資は
非常に集中した投資であることが
理解できるはずです。


と同時に、個別銘柄への投資も、
できていることに注目しましょう。


例えばSMTグローバル株式インデックス・オープンの
上位10銘柄の欄を見るとトップはAPPLE INC.
となっており、このファンドに100万円を投資したら
自動的に約23,000円がアップルに投資されます。


議決権がないので株主とは少し違いますが、
投資はおこなっており、株価上昇の恩恵や
配当を受ける権利は得られます。


職場や家庭で株式投資の話がでたときも、
涼しい顔で「アップルにも投資してるよ」といえば、
一目置かれるかもしれません。

(もちろん、そのカラクリも教えてあげると親切ですね)



以上、運用報告書を読み解くポイントでした。
これを参考に、定期的にファンドを
チェックするようにしてくださいね。



各インデックス・ファンドの運用報告書は
それぞれのWEBページからダウンロードできます。

こちらの記事のリンクを利用すると、便利です。

各資産クラス別、インデックスファンドの実質コスト、資産、売買高比率を一挙比較


ps.

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プロフィール


こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は10年以上。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナーです。アラフォー、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

子どもにも安心して教えられる資産運用法を中心にお伝えしていますが、まだまだ「投資=難しい&ギャンブル」「投資=売買でドキドキ&忙しい」と誤解している方も多く、長期投資の考えを広めていけたらと思っています。

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