8月から最低10年加入で年金がもらえるようになった!で、遺族年金はどうなるの?

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ずいぶん前から騒がれていたことなので
もうご存知だと思いますが、
今年の8月(つまり今日)から資格期間10年で
老齢年金がもらえるようになりました。


「じゃぁ遺族年金はどうなるの?」


と嫁さんに素朴に質問されてしまったので(笑)
ちょっと調べてみることに…。


老齢年金の資格期間が10年に短縮。以前よりももらいやすくなった!


遺族年金の話の前に、今回の変更を
簡単にまとめておきます。

今まで、
保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間等
(これを資格期間といいます)を合わせて
25年以上なければ老齢年金がもらえませんでした。

それが8月1日からは、同10年以上でもらえるように、
条件が緩和されたんですね。

条件に該当する人には日本年金機構から
既に「短縮」の黄色い封筒が届いているようですので、
確認した上で、必要に応じて請求手続きしましょう!


詳しくはこちらのページをご覧ください。

必要な資格期間が25年から10年に短縮されました|日本年金機構


なお、8月から受給権が生じますが、
実際の年金は9月分(10月受取)
というスケジュールになるようです。


どうして資格期間が10年に短縮されたのか?


資格期間10年化は本来、
消費税が10%に上昇するタイミングに合わせて
実施される予定となっていました。

それが、消費税8%後からは
個人消費がなかなか回復しないこと等から
消費税10%がどんどん先延ばしされ、
しびれを切らす形で資格期間の10年短縮化が
先行して実施されたような経緯があります。

このへんの経緯はこちらの記事が詳しくて参考になりました。

年金が「最低10年加入」に短縮へ。専門家が分析した衝撃の受給額|MAG2NEWS


また、海外の老齢年金制度に比べて
日本の資格期間が長すぎる、
というような議論もあったようです。

出典:受給資格期間の短縮について(p7)|第2回社会保障審議会年金部会

海外とくらべて年金制度自体が異なりますから
単純比較は難しいと思いますが、資格期間だけを見れば
日本は確かに突出して長いようですね。

今回の10年化は、日本以外で長い方である
アメリカ相当とした、という考え方もできそうです。


いずれにせよ、今回の10年化により追加で必要となる予算は
650億円と推定されているようで、国全体の金銭的な
インパクトはそれほど大きく無さそうです。

そうした計算もあって、
「実施可能」と判断されたんだと思います。



で、遺族年金はどうなるの?


今回、老齢年金についての資格期間が25年から10年へ短縮され、
老齢年金がもらえる人が増えました。

ではこれに関連して、
遺族年金はどうなるのでしょうか。

現時点の日本年金機構のホームページによると

遺族基礎年金の受給要件は、おおまかに

  • 国民年金の被保険者
  • 老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上の者

で、その他要件を満たした者が死亡したときに

また遺族厚生年金の受給要件は、おおまかに

  • 厚生年金の被保険者(いわゆる会社員)
  • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上の者
  • 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者

で、その他要件を満たした者が死亡したときに、

それぞれの遺族に、遺族年金が支給されることになります。


つまり、ここの資格期間25年は特に修正されておらず、
従来通り被保険者であるか、25年以上の資格期間が無いと
遺族年金は支払われない、ということのようです。


まだ嫁さんに殺されずに済みました(笑)
(もちろん冗談です)


ただ、ちょっと微妙ですね…


このとおり、資格期間に関して

  • 老齢年金は10年
  • 遺族年金は25年


という制度設計はちょっとヤヤコシイですね。

遺族年金にも遺族基礎年金(以下遺族基礎)と
遺族厚生年金(以下遺族厚生)の2種類があり、
遺族基礎は現役世代の国民は原則全員被保険者ですから
これはいいとして、問題は遺族厚生の方です。

会社員が亡くなった場合、厚生年金保険の被保険者ですから、
遺族厚生はもらえることになります。

しかし、リストラや失業により会社員で亡くなったり、
あるいはそもそもフリーランスで働いているような人は
厚生年金被保険者ではありませんから、
この場合は資格期間25年が条件になります。

遺族厚生の資格期間は厚生年金保険と国民年金の
期間の合算でいいわけですが、
で、これが25年無いといけないわけですから
例えば22歳から就職し、リストラ、退職した人が
少なくとも45歳未満で亡くなった場合に遺族厚生がもらえない、
ということになります。

(22歳から就職しても20歳から国民年金を払っているはずですので
45歳以降は資格期間25年以上となります)

ただしこれは国民年金の資格期間がもれなくある人の場合で
未納など資格期間の無い期間があれば、
その分後ろにずれていくことになります。

特に学生時代が長く、特例も使ってないような場合であれば、
2年から5年ぐらい後ろに行っても全然おかしくありません。

となれば、遺族厚生の受給は50歳以降、
という感じでちょっと厳しくなってきます。


今回の改正は確かに純粋に老齢年金を貰える人が増えるので
良い方向だとは思うのですが
考え方としては微妙かと思います。


資格期間(ほぼイコール加入期間)というのは、
長く生きるほど資格期間も長くなる傾向がありますので、
若くしてリストラされ、亡くなった遺族等への保障という意味では
逆なような気もしますね。


まぁここからは僕の推測ですが、
もし遺族年金の資格期間を10年に短縮すると


  • インパクトが大きくて財源が確保できないのかもしれません
  • 若い夫婦であれば、やりなおしもしやすいだろう、というような前提もあるのかもしれません


というような理由があって、とりあえず老齢年金のみ、
資格期間が短縮されているのかもしれません。

この資格期間25年というのは、
終身雇用を前提とした制度にも見えますので
今後継続的な議論が必要だと思います。


老齢年金の資格期間10年短縮化と遺族年金のまとめ


今回の老齢年金の資格期間10年短縮化に伴う、
遺族年金の制度変更は特に無いことが分かりました。


ただし、リストラや雇用の流動化、
フリーランスの増加など社会情勢の変化を考えれば
遺族年金も老齢年金と同様の改革が必要ではないかと考えます。


テクノロジーの進化により
個人が組織に属せず活躍できる環境が整いつつある中、
極論をすれば、会社員という労働契約のみが
厚生年金加入者という考え方自体が、
既に時代遅れになりつつあるのかもしれません。

そういう意味では国民年金を拡充させ、
厚生年金は任意加入という形が
将来合理的かもしれませんね。


また遺族年金は老齢年金よりも
若い夫婦や子供が恩恵を受けやすい年金であり、
世代間格差が広がる中、重要な議論ではないかと思います。


若い世代に恩恵があるとなれば、
年金を支払う人も増えるかもしれません。

単純に法律上の義務だから、
だけでは皆付いてこれないと思います。


国民全体に関わる制度ですので、
引き続きウォッチしていきましょう。


ps.

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工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は10年以上。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナーです。アラフォー、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

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