日銀のマイナス金利を「個人投資家」の目線で考えてみる。

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先週末、日銀がマイナス金利の実施を発表し、
市場に衝撃が走ったのは既にご存知かと思います。


そもそもマイナス金利ってなんでしょうか?


今後の市場への影響など、
詳しく解説した記事もあるようですが
このブログではマイナス金利の
個人投資家への影響を考えてみます。




そもそも、マイナス金利って何?


詳しい解説記事は、ググればいくらでも
出てきますのでそちらにお任せしますが、
僕が参考にした記事をいくつか挙げておきます。

"預金者を罰する"マイナス金利で起こること|東洋経済オンライン

で、これを読めばマイナス金利の概要と、
先にマイナス金利が始まった欧州、
そして今後の懸念事項がだいたい把握できます。

ポイントとしては


  • 現段階の日本のマイナス金利政策は、日銀当座預金の一部のみ。(銀行へのムチ)

  • 欧州の事例から、銀行預金がただちにマイナス金利となるとは考えられない

  • 銀行が投資先を見つけられず、収益が下がるなら、逆に住宅ローン金利などが上昇することも考えられる


などの主張が読み取れます。
わりと、中立的な主張です。

実際この通りになるかどうか分かりませんが、
先行している欧州の事例が参考になるのは
確かでしょうね。


こちらの記事も参考になります。
東洋経済オンラインよりも、
もう少し国内寄りの、解説になってます。

異次元緩和の限界を露呈したマイナス金利導入|日経ビジネスオンライン


こちらはちょっと批判寄りの主張です。



マイナス金利の個人投資家への影響

さて、我々個人投資家としては、
銀行がどうこう、経済への影響がどうこう、
日銀の運営がどうこう…という批判や
ムズカシイ話は一旦置いておいて、

今後どういった投資行動を取っていけば良いのか、
そのあたりを考えていく必要があるかもしれません。


  • 国内債券インデックスが急騰

国内債権として代表的なNOMURA-BPI国内債券インデックスの
基準価格が先週末に急上昇しました。

野村DC国内債権インデックス・ファンドNOMURA-BPI総合 チャート 2016/1/29|野村アセットマネジメント野村DC国内債権インデックス・ファンドNOMURA-BPI総合|野村アセットマネジメントより)


債券価格がこれほど急上昇することはまれで、
やはりマイナス金利が市場にとって
サプライズであったことがうかがえます。


債権のインデックス投資をしている方も、
今後の価格変動には気をつける必要があるかもしれません。

(長期投資なら、一喜一憂する必要はないでしょう)



  • 個人向け国債10年変動の実質利回りが上昇する可能性

個人向け国債の変動金利10年モノは、
最低利率として0.05%を保証、
また元本買い取りも政府が保証しています。

変動金利なので、通常の債権であれば
マイナス利回りとなれば債権の
表面利回りもマイナスになるはずですが、
個人向け国債は上記の保証がついた
特殊な債権なのです。


そのため、今後銀行預金等の金利が
ますますゼロに近づく、あるいは仮に
マイナスになるようなことがあれば、
こうした個人向け国債の商品利回りが
実質的に上昇する可能性もあります。


一方、固定利回りの「新発」債権は、
マイナス金利の影響で利回りが低下、もしくはマイナスとなります。
(社債等のリスクプレミアムがマイナス金利以上のものは、プラスを維持できます)
そのため、将来の運用難が予想されることから
こうした商品が販売停止となる可能性もあります。

流動性についても、注意しておく必要があるでしょうね。


実際、一部の証券会社ではMMF(主に短期債権で運用のファンド)等の
新規販売を一時中止しているところもあります。


2月2日時点で確認したものでは

が、中国ファンドやMMFの
新規購入申し込みを一時停止しています。

(2月5日更新)
MMF購入受け付け 国内11社すべて停止
ということで、MMFは全て停止となりました。


(2月12日更新)
上記の通り、国内債権で運用するファンドは
今後運用難が予想されます。

アクティブファンドについては運用方針の範囲内で
ポートフォリオの組み換えをする、
具体的にはプラス利回りを確保できる
社債等にシフトしていく可能性もあります。

その場合、確かにプラス利回りは確保できますが
ファンド自体のリスクは上昇します。
(=価格変動が大きくなる)


そういったファンドに投資をしている方は、
運用レポートやニュースリリースをチェックし、
ご自身の運用方針に合うかどうかを
確認してみてだくさい。



  • 為替、株価がしばらく不安定?

為替や株価はマイナス金利だけで動くわけではありませんが、
いろいろな経路から影響を受ける可能性は否定できません。


もともと、年初からの株価急落は
新興国の減速の影響が強いと言われていますが、
そこに国内のマイナス金利という読みにくい
要素も加わることになりますので、
為替や株価は黒田サプライズを織り込むまで、
しばらく不安定な展開になる可能性があると思います。



  • 余計なお世話的な営業

これは僕の勝手な推測ですが、
抜目のない金融セールスマンは、
これをネタに「積極的に」営業を
かけてくるかもしれません。


「今後金利がマイナスになるかもしれませんよ
投資しないと損するかもしれませんよ」



的な営業ですね。


一般的に、金融セールスマン
(銀行、証券会社、保険会社、乗合代理店…)
の営業で、中でも、
向こうからわざわざやってくる場合は特に
あまり真剣に聞かない方がいいと思いますが


現状では、この手の営業トークも
普通にスルーしておいてOKだと思います。


(ちなみに、僕のもとには
豪ドルデュアルカレンシー債の
ご案内が届きましたが…)


  • 住宅ローンは借り手に有利になる可能性

上の東洋経済社の記事で、マイナス金利の欧州で
逆に住宅ローン金利が上昇しているという指摘がありましたが、
日本でその通りになるかどうかは分かりません。

日本の場合、8軒に1軒が空き家と言われますし、
現実問題として新築住宅の需要は弱くなってますので
住宅ローンの借り入れ需要もそれにともなって減っています。


ですので銀行が強気でローン金利を上げていけるか
というと、それはちょっと疑問だろうと思います。


むしろ、長期金利と連動する形で
住宅ローン金利も低下していくことのほうが
可能性としては高いシナリオです。


ということで、ここ1,2年ぐらいかけて
新規ローンの組み方、あるいは既にローンがある人は
借り換えの検討を進めてみてもいいのでは?
と思います。

借り換えの場合は手数料がかかりますので
注意してくださいね。



まとめ


今回の措置も一時的なのか、
今後マイナス金利幅が広がっていくのか、
先は全く分かりません。


少なくとも現時点では影響は限定的なので
個人はあまり心配する必要はなく、
様子見でいいのではないでしょうか。


※ 上記は個人の見解を含んでおり、
実際の投資にあたっては
ご自身の判断でお願いします。



個人向け国債、マイナス金利関連の記事は
こちらをご参考ください。





こういう大きなことが起きたときにいつも思うのですが、
投資というのは、いつでも先がわからないものです。


僕は、そんなものに右往左往するのは
人生の貴重な時間のムダだと思っています。
(ですので、右往左往しない仕組みを作っておき、
あとはほとんど放置でいい)


普段から本当にやるべきことは、
まず強い家計を作ること。


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プロフィール


こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は10年以上。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナーです。アラフォー、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

子どもにも安心して教えられる資産運用法を中心にお伝えしていますが、まだまだ「投資=難しい&ギャンブル」「投資=売買でドキドキ&忙しい」と誤解している方も多く、長期投資の考えを広めていけたらと思っています。

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