神の視点、ヒトの視点。

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僕達は過去のデータを眺めるとき
無意識のうちに「神」の視点になります。



ん?過去のデータ?


いや、もう少し正確な表現をしてみましょう。

今、あなたの目の前にあるデータや記述が
未来から来たものである可能性はあるのでしょうか。


予測したデータですら、予測「した」ものですから、
それは過去に行ったヒトの思考過程の記録に過ぎません。

であるならば、私たちが今見ている情報は、
全て過去から来たものであると言えるでしょう。


そのことをよりよく理解するために、
簡単な思考実験をしてみます。

もしあなたが、特殊な機械を発明し、
現在から1秒先の未来を正確に予測できるようになったとしましょう。

僕ならその特殊な機械を使い、1秒先の為替データをもらいます。
1秒先の動きが分かれば、FXでレバレッジを掛けて
100%確実に大きな利益を取ることができるからです。

もしかしたら、1年たたないうちに
Forbesの表紙に登場できるかもしれません。
ワクワクしますねw

ですが実際はこのようなことは起きていません。
残念ながら、全ての情報はその時点で「過去」のもの
という結論に至ります。


ならば私たちは、常に過去とせいぜい現在を見ながらも
無意識のうちに神の視点、つまり予測をしようとしていると
言えるのではないでしょうか。


例えば、投げたボールの動きと、為替や株価や債券の動きを
なんとなく混同してしまって、
1秒先ぐらいなら分かると思ってしまいがちです。


しかしこれが投資においては厄介な結果を招きます。



生き延びるために必要だった予測

私たちの脳は、進化の過程において
生き延びるために予測をする能力を
獲得したと言われています。


無論、予測ができるのは何も人間の特権ではありません。

例えば「トンボ」が飛行中に、彼の上空から接近してくる
カエデの葉を避けながら飛行を続けるには、カエデの葉の
未来の経路をある程度「予測」する必要があります。

「眼」や「耳」を持つ動物であれば、こうしたいわば原始的な
予測能力は持っているでしょう。


我々人間は、もう少し「高度」な予測能力を
持っていると信じています。


例えば私たちがやる予測には


  • ボールを投げたら、10m飛んだ。2倍の強さで投げたら、20m飛ぶだろう。

  • 食べる量を増やしたら、体重が1kg増えた。食べる量を減らせば、体重は元に戻るだろう。

  • タネを撒いたら、米ができた。来年も同じタネを撒いたら、また米ができるだろう。

といったものがあります。

それぞれ抽象度は異なりますが、いずれも過去の事例が
そのまま未来でも起きることを前提にしている点で
共通しています。

こうした予測は無意味ではなくて、
物理的な世界の場合には、当てはまることが多い。

だから私たちはそれで平均的には生き延びることができてきました。


ですが、個別の事情を詳しく考える時、
2回めにボールを投げるときはたまたま飛んできた鳥に当たってしまうとか、
来年は日照不足と台風が重なって作物が全滅するとか、
そういったことは考慮に入れられません。

いやいや、考えればいいだろう?

と思うかもしれませんが、ここで指摘しているのは
「思いつかなかったことが起きる」ことを予測するという
自己矛盾を孕(はら)んだ問題なんです。


実際には

あらゆるビジネスの現場において、
テクノロジーの破壊的進化の局面において、
そして当然、それらに依存している投資において


現在思いつかないことが未来には起きることを誰も否定できません。


しかも「思いつかないことが起きる可能性」とその影響が
経済活動の拡大によって徐々に大きくなってきています。

それが正確に予測できるとなれば、
まさしくそれは「神」の視点であろうと思います。


しかし私たち「ヒト」に与えられた予測能力は
残念ながら非常に限られた制約条件の元でしか
うまく機能しないようなのです。



じゃぁ投資ってなんなんだ?

未来が本質的に予測不能だとすれば、
一体僕達はなんのために投資とやらをするのか?

もちろん予測不能という事実ごときで無意味になるほど、
投資という行為がチャラいものではありませんので
悲観する必要もありません。


投資の全体像を一言で表すのは難しいですが、個人的には
「資産を守る」という側面も大きいと思います。


ポートフォリオであれ、アセットアロケーションであれ、
様々な投資対象(資産)を保有することを目指します。

これはある特定の資産に私たちが予測不能な
「とても不幸な」出来事が起こったとしても、
資産全体に致命的な影響を与えないようにしようという
目的があります。

投資の第1の目的とは恐らく、
そういうたぐいの地味なものです。


でもそれこそがとても大きな意味を持っているともいえます。


たとえばあなたが毎日働いている会社は、
資産を守らないでしょうか?

そんなことはありませんね。

あらゆる方向から鍵を掛け、
営業機密をしっかり守っているはずです。
だからこそ、本業のビジネスで攻めていけるわけです。


個人の生活でも同じで、様々なものを守っているはずです。
あなたが毎日寝起きして食事を取る場所である「家」は、
あなたの大切な資産を毎日守ってくれています。

だから安心して、外の世界に出かけることができる。


資産を守るということも、同じ意味を持っています。
資産を守るからこそ、安心して攻めることができる。
少なくとも「資産を守らなくていい」と思う人はいないはずです。


ちなみに、資産を守るなら現預金でいいのでは?


という素朴な反論もあろうかと思いますが、
それは現預金に予測不能なことが起きないという
正確な予測ができるならそれでいいと思います。

もちろん預金には預金保険という公的保険がかかっていますから、
メリットがあって、ゼロにすべきものでもありませんが…。



投資はとかく抽象的で捉えにくいですが、
「予測不能な事象から資産をできるだけ守る」
という視点を一つ持っておくと
さらに理解が深まるのではないかと思います。


ps.

努力や投資法とは無関係に、こんなに資産が変わることはご存知でしたか?


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プロフィール


こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は10年以上。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナーです。アラフォー、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

子どもにも安心して教えられる資産運用法を中心にお伝えしていますが、まだまだ「投資=難しい&ギャンブル」「投資=売買でドキドキ&忙しい」と誤解している方も多く、長期投資の考えを広めていけたらと思っています。

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