長期投資って、リスクが大きいの?小さいの?どっちなの!?

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「長期で投資すれば、リスクが小さくなります。」

最近、こういうフレーズをよく耳にしませんか?

一方で、経済評論家の山崎元氏のように
「長期で持てばリスクも増えるんだ!」

という指摘もあります。

本当に正しいのはどちらでしょうか?
情報に振り回されてなにがなんだか分からない!
というあなたへの回答として、

図解で示してみたいと思います。


金融的「最悪」を計算してみる

まず「リスク」というものの金融的定義としては
「リスク=リターンの振れ幅」ということは
確認しておきたいと思います。

「リスク=マイナス幅」と捉えられがちですが、
想定以上にプラスになるのも金融的リスクなんですね。

でこのリスクですが通常の「極端」を想定する場合、
±2倍の上下振れ幅を意味します。

ここまで前提を置いた上で、
期待リターン5%、リスクが5〜15%資産に
100投資した場合の時間経過に伴う
資産の上限、下限をグラフ化してみると

2014-09-16 17.46.12

こんな感じになります。

青は平均ライン、赤はマイナス側
緑はプラス側の限界ラインです。

リスクは標準偏差(σ)で表していて、
それぞれ5,10,15%の場合になっています。


これを見るとリスク5%の場合は数年で、
10%の場合は17年目に、最悪でも元本の100を上回る
ということになりますね。

ただ15%にいたっては30年経っても
最悪時に元本を下回らない状態になることが分かりますので
5%のリターンのために15%のリスクを取るのは
明らかにリスクを取り過ぎだ、ということが
読み取れると思います。

ところでここで書いた「最悪でも」は、
これより悪いことは絶対に起こらない、
という意味ではないので注意が必要です。


通常想定しうる範囲が慣例として「±2σ」
になっているだけの話なので、ー3σでも、ー4σでも、
いくらでも下を想定することは可能です。

ですが、どこまでも想定できる=際限がない、ので
まぁ、2σを想定していたらほとんどの場合問題ないでしょ、
という経験上の線引き、なんですね。

そういうモノだと思って、
グラフを眺めてください。

で、結局長期投資のリスクはどうなのよ!?
ということに対する回答としては


  • 長期投資で望めば、元本割れの確率は低下していく。そういう意味での危険性(普通の意味でのリスク)は低下していく。
  • 一方、投資でいうところのリスク、すなわち「振れ幅」は年々少しずつ増加していく。そういう意味で金融的リスクは増す。

ということになるでしょうか。

リスクという用語が違う意味で登場するのが、ポイントなんですねw



過去データを検証してみる

これで記事を終わってしまうと、とても気持ち悪いというか
全然しまらなくなってしまうので
実データも分析してみました。

使ったデータはMSCIコクサイ(配当込、USD)で、
日本以外の先進諸国の株式に時価総額加重で投資した時の指数です。

MSCIコクサイをベンチマークにするファンドやETFは多く、
またデータは上のサイトから誰でも自由にダウンロードすることができます。


このデータを使って、まず上の理論分析と整合性をとるために
投資期間を横軸に、リターンの平均と標準偏差x2をグラフで示します。

2014-09-28 18.46.01
青線がリターンの平均値で、上下に伸びるバーが
±$latex 2\sigma $を表しています。

すると、なんとなくですが理論で求めたような
グラフになっていることが分かると思います。

「なんだ、20年経っても結構リスクが大きいじゃないか」

と思われますが、長期間になるほどリスクが大きくなるのは
理屈通りで、ただそのリスクの増え方がリターンの伸びよりも
緩やかなので、長期的にはリターンが勝っていくことが期待できる
わけです。

で、よく目にする「長期になるとリスクが低下する」というグラフは
別にウソをついているわけではなくて、1年単位のリスクにならすと、
年単位でみたときのリスクは低下していきますよ、ということ。

あなたが見たのは、こんなグラフではないでしょうか?

2014-09-28 19.31.57

確かに間違いではないんですが、実際に起きそうなことをイメージしにくいですね。
やはり年単位にならさずに、素直にリターンとリスクを見たほうがいいです。



上のグラフでは$latex 2\sigma $を表していましたが、
実際の分布はどうなっているんでしょうか。

全てのリターンを散布図で現してみます。

2014-09-28 18.46.24

投資期間25年では、極端にリターンが大きな年があったみたいで、
それが標準偏差を大きくしている理由だということがわかります。

実際には、最悪でも

20年:346%
25年:738%
30年:1707%

と、結構大きなリターンとなっています。


もちろんコストを無視しているうえに
過去データは未来を保証するわけでもないですが
なんとなく、今まで起きてきたことのイメージが
湧いたのではないでしょうか。


実際のデータはこんな感じですので
先ほど示した複利の理論分析自体は何かが間違っていることは
明らかだと思います。

新しいことがわかれば、また記事を更新します。



まとめ

若干、後味の悪さもありますが、
実際の投資の現場に近いのはやはりこちら

2014-09-16 17.46.12
およびこちら

2014-09-28 18.46.01

だと思います。


15年、20年、30年というと気が遠くなりそうな時間ですが、
事前にこういうグラフを眺めておけば、


よしやってやるぞ!


というモチベーションも維持しやすいのではないでしょうか。


ps.

努力や投資法とは無関係に、こんなに資産が変わることはご存知でしたか?


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こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は10年以上。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナーです。アラフォー、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

子どもにも安心して教えられる資産運用法を中心にお伝えしていますが、まだまだ「投資=難しい&ギャンブル」「投資=売買でドキドキ&忙しい」と誤解している方も多く、長期投資の考えを広めていけたらと思っています。

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