バリュー平均法について、独自にシミュレーションして分かったこと。

岡本氏の著書「確定拠出年金 最良の運用術」で紹介されてから、
各ブロガーさんで話題になっていたバリュー平均法ですが

独自にシミュレーションしてみました。


結論としてその優位性は揺るぎませんでしたが、
一部苦手な局面もあるようです。




バリュー平均法の投資シミュレーション

バリュー平均法の詳しい説明については
岡本氏の著書「確定拠出年金 最良の運用術」を
参考にしてください。

著書内でもバリュー平均法のシミュレーションがありますが、
自分でやってみないと納得できない性格のため
独自にシミュレーションしてみました。


  • 右肩上がり1

シミュレーションの条件はこちら。
  • ドルコスト平均法とバリュー平均法の買い付けタイミングは同じとする
  • 初期資産6千万とする
  • バリュー経路は5百万から55百万まで
  • ドルコスト平均法の買い付け額は5百万を11回


初期資産、買い付け額が少々大きめですが
シミュレーションぐらいは景気よく行きたいな
と思いましてw

以下ご自身の状況に合わせて額を読み替えてください。

まず青線の値動き(左軸)をする資産に、
バリュー経路(右軸)に沿ってバリュー平均法を使って投資する場合を考えます。


2014-07-06 13.25.12

投資の損益率はこちら。

2014-07-06 13.25.38

ここでいう損益率とは、初期資産6千万に対して、
±何%になったか、というもの。

例えば初回全額投入(赤)のパフォーマンスが
+59%ですが、この場合
資産は 6千万x1.59=9千5百万

になったということです。

あれ?
ドルコストがトップ、バリュー平均法が2番手です。

なんだか、バリュー平均法ってそんなにすごくないのかな?
と思いますね…。


  • 右肩上がり2


もしかしたら期間が短いせいかと思い、
もうすこし期間を延ばして20回投資します。

値動きもジグザグしながら平均的に右肩上がりとし、
バリュー経路は8千万までとしました。

2014-07-06 13.26.03

ドルコスト平均法は初期資産を
20回に分けて投入していきます。

2014-07-06 13.27.14

初回全額投入(赤)のパフォーマンスがダントツですが、
マイナス幅も大きいため、資産運用に使うには
リスクが大きすぎるといえます。

このグラフの場合だと、バリュー平均法(青)がドルコスト平均法(緑)の
パフォーマンスを上回っていきます。

面白いのはバリュー平均で資産を売る際、
売却時にかかる税を引いたとしても
ドルコスト平均法を若干上回っていることです。


だとすると、課税口座をつかったとしても
バリュー平均を使ったほうがいいということ?


なかなかスゴイ威力です!


「いやいや、そんなきれいな右肩上がりだから上手く行ってるんじゃないか?」


という声も聞こえてきそうです。

でも、「右肩上がり1」のシミュレーションでは
ドルコスト平均法の方が良かったわけです。

もしかしたら大きく下がって一気に上がるような局面では
一時的にドルコスト平均法が上回るのかもしれません。


では、上がり下がりが全くない
横ばいの場合を見てみます。


  • 横ばい


バリュー経路を8千万までとすると
途中で銀行残高がマイナスになってしまうので、
6千万までとしました。

ドルコストの購入額は前回と変わりありません。

2014-07-06 13.27.38
2014-07-06 13.27.57

なんと横ばいであっても、
バリュー平均法のパフォーマンスは卓越していて
初回投入比+30%となっています。


課税口座を想定した税金を引いても、
ドルコストを上回っています。


うーん、すごいな。バリュー平均法。



バリュー平均法の死角

シミュレーションしていて思ったのは
確かにバリュー平均法は威力がありそうだ、
ということ。


前述のとおり、課税口座を使っても
バイ&ホールドのドルコスト平均法を
上回るパフォーマンスだったのはかなりの驚きでした。

いままでドルコストがいいと思っていましたが、
ここまでいい結果が得られるなら
本気で検討しないといけません。


一方で、バリュー平均法には難しい面もあります。

一番厄介なのは
「バリュー経路をどうとるか?」
という点。

上のシミュレーションでも、バリュー経路を上げ過ぎると
途中で投資資金が枯渇する場合があることを確認しました。

投資資金がどうなっていくかは
投資対象資産の値動きに依存するため、
あらかじめ最適なバリュー経路を決めることができないわけです。


これについての現実的な解は

  • 投資資金に応じたバリュー経路


を決めて、

  • 投資資金が枯渇したら積みましはなし


あるいは

  • 投資資金の上限を決めておく



というぐらいしか、方法は無いかなぁ?


投資資金に上限を決める点については
岡本氏の著書でも指摘されていましたので
恐らく運用の現場でもそうした対応がなされていると
推測されます。


それからもちろん、
今回のシミュレーションでは対象資産の値動きは
架空のものであり、かつたったの3パターンしかありません。

これをもってバリュー平均法の良し悪しを
結論づけるのはいささか強引といわれても
仕方ないことと思います。

例えば今回の「右肩上がり1」のように
ドルコスト平均法が有利となるような
シミュレーションをそれこそ無数に
作ることは可能でしょう。


ただ、今までフワフワとした感覚としてしか
バリュー平均法を捉えられていなかったんですが
きわめて特定の一面とはいえ数値を元に把握し、
その価値の片鱗を理解できたのは収穫でした。


バリュー平均法、奥が深そうです。

もっと深く研究する価値がありそうな、
そんな「匂い」がします。


次は原著に当たってみるかな…




ps.

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今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

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