こんにちは。林FP事務所の林です。
「うわぁ、こんなにお得な商品があるなんて!」
変額年金保険を喜んで
契約した方から聞かれる感想です。
死亡時の保障は付くし、過去の実績から
年◯%の利回りで満期時には元本を上回って…
という想定の話でワクワクする。
とまぁ、そういった商品ですが、
でもそれ、ほんとにあなたのための
商品ですか…?
変額年金保険については、過去記事で
検証したことがあります。
↓
https://xn--vck0b9h632vz0vb.jp/?p=4249
結論だけ抜粋すると、推定されるコストだけでも
これだけの数字になっていました。
経過年数 | 保険料累計(万) | 解約返戻金(万) | 理論資産額(万) | 経費(万) | 経費年率(単利) |
---|---|---|---|---|---|
5 | 125 | 70 | 125 | -55 | -8.8% |
10 | 250 | 161 | 250 | -89 | -3.6% |
15 | 375 | 238 | 375 | -137 | -2.4% |
20 | 500 | 312 | 500 | -188 | -1.9% |
25 | 625 | 381 | 625 | -244 | -1.6% |
30 | 625 | 325 | 625 | -300 | -1.6% |
経過年数 | 保険料累計(万) | 解約返戻金(万) | 理論資産額(万) | 経費(万) | 経費年率(単利〜複利) |
---|---|---|---|---|---|
5 | 125 | 86 | 145 | -59 | -8.1% |
10 | 250 | 232 | 345 | -113 | -3.3% |
15 | 375 | 418 | 628 | -210 | -5.5% |
20 | 500 | 674 | 1025 | -351 | -4.0% |
25 | 625 | 1028 | 1580 | -552 | -3.0% |
30 | 625 | 1376 | 2363 | -987 | -2.0% |
30年で経費が1000万円近くですか…。
中古市場なら、家が1軒、買える金額ですね。
資産額に対して、ものすごい額の
経費になっていることが
お分かりいただけると思います。
信託報酬も込みの経費と思われますが、
30年間、2%もの経費がかかり続けては
さすがに話になりません。
相変わらず、変額年金保険がお勧めと
いっているFPなどもいますが、
手を出したらダメですよ。
変額年金保険の仕組みが悪いと言っているのではなくて、
見えにくいコスト構造が問題なんですね。
結局、売り手がかなり儲かる
商品になっている可能性が濃厚で、
契約者のメリットはほとんど見受けられません。
「死亡保障が付いているから」
と反論されるかもしれませんが、むしろ長期間、
死亡保障額が一定というのは、アウトでしょう。
通常、必要保障は年を追うごとに減るはずです。
FPなら誰でも知っている話です。
このような経済合理性の極めて低い商品を
FPが斡旋・販売する事自体、信じられませんが、
まぁ現実はお金の専門家ではなくて
お金「儲け」の専門家というところでしょうか。
以前、こちらの商品についても
警告しましたね。
↓
https://xn--vck0b9h632vz0vb.jp/?p=6930
物事の本質は、同じことです。
手を変え品を変え、同じことが
ずーっと行われています。
アドバイスですが、
簡単な対策があります。
商品コストについて詳細を開示できない金融マンや
FPの言うことは聞かなくてOKです。
金融商品を斡旋、販売するのに、
その手数料やコストを隠すというのは、
とても誠意ある態度だとは思えません。
誤解のないように加えておきますと、
僕は儲けちゃいけないと言っているのではないんです。
そりゃ商売ですから、
正当な対価を得るのは当たり前の話です。
子どもじゃないんですから(笑)
でも「正当な対価」というならば、
「これこれこういうサービスや商品の対価として、これだけの報酬を頂きます」
と言って、金額を明らかにし、正々堂々ともらえばいいんです。
それでお客様が納得しなければ、
しょせんそういう商品ということでしょう。
もしそこまでやってくれるようなFPであれば、
信頼出来るかもしれません。
米国(?)だったか、記憶が曖昧ですが、
手数料も開示して契約するなら、
相談料という扱いが認められる
という国もあるそうですから、
商品手数料を開示できるなら、
それはそれでOKなのかもしれません。
ただ、変額年金保険のコストを目の当たりにしてしまったら
恐らく契約する気になれなくなるとは思いますが…。
変額年金保険といっても
中身は普通のインデックス運用ですから、
なにも特別なものではありません。
普通の人が、普通の証券会社で、
できる話です。
では少し工夫して、2017年からは
個人型確定拠出年金の適用条件も
拡大するので個人型確定拠出年金で
運用してみてはどうでしょうか。
個人型確定拠出年金のメリット、デメリットは
こちらの記事にまとめましたのでご覧ください。
↓
https://xn--vck0b9h632vz0vb.jp/?p=4235
運用管理機関(口座)にもよりますが、
基本的に変額年金保険と同じことができますので、
大丈夫です。
とにかく一番のメリットは節税です。
節税のメリットを、なめたらいけませんよ。
節税だけで、年1%とか、2%とか、3%とか、
(※ 収入や拠出の条件によります)
それぐらいの運用益の向上効果が見込めますので。
これ、変額年金保険で追加のコストを取られるのと、
節税効果で1%とか、2%とか、3%とかの
ボーナスが付くのと、どちらが成功しやすいか
って話です。
それはもう、考えるまでもないですよね…。
よく、保険のセールスでは
「強制的に貯めて(運用)するから、つい使ってしまう人に向いている」
といいますが、それ、確かに僕もそう思います。
だから確定拠出年金にしてください。
確定拠出年金なら、
原則60歳まで払い出しできませんから、
つい使ってしまうのを防ぐメリットも享受できます。
変額年金保険なんかに
手を出しちゃダメですよ。
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