がん保険と預貯金、いったいどう備えればいいのか?


こんにちは、林です。

社会全体が高齢化していることもあり
医療保険やがん保険への関心が高まっていますが
がん保険は預貯金でという主張も多いですよね。

なら実際にはどうしたらいいのでしょうか?
一つの視点を提案してみます。


実は状況に応じて考える必要があるんですよ。


がん保険を代替する貯蓄額は?


当サイトでも過去にこちらの記事を書いています。

格安がん保険よりも強力な保険があります。しかも、あなたは既にそれを持っています。



がん保険の代わりに、預貯金がいいという主張ですね。

ただ、これだと僕個人の主張に過ぎませんから
こちらに分かりやすい第三者の記事もありましたので
掲載しておきます。


こちらの記事によれば、
預貯金が200万円あればがん保険は不要
という認識です。

高額療養費との比較もあり、金額も妥当だと思うので
良心的な記事だと思いました。

ではこの記事の内容をもとに
仮にがんになったときに備えて
一人200万円必要だとしましょう。

200万円と聞くと、すぐには用意できない
と思われるかもしれませんが
がんは高齢期にかかりやすい病気ですので
すぐ必要になる可能性は低いです。


家族のがんに備えるには


さてがんの治療費が必要になる時期
(若い時か、高齢期なのか)の問題もありますが
家族を持つ者にとっては、自分だけでなく
家族全員の健康が気がかりです。

今は少数派かもしれませんが
例えば昭和的家族構成の夫婦二人
子二人の4人家族とすると
4人全員ががんになったら
800万円が必要なのでしょうか。


生涯でがんに罹患する確率は
男性62%、女性46%となっています。
最新がん統計|国立がん研究センター

ですがややこしいですので男女とも50%とし
治療費一人200万円が必要だとします。

一人にかかるコストは、確率で考えると

200 \times 50\% = 100(万円)

になります。
(これを統計用語で、期待コストといいます)


では夫婦二人の場合を考えてみましょう。

二人の場合や少し複雑になり
二人ともがんになる、一方ががんになる、
二人ともがんにならない、の3パターンがあります。

正確には一方ががんになる場合でも
どちらががんになるかで2パターンあるので
結局4パターンとなります。

これを分かりやすく分類してみると

夫婦二人が共に生涯でがんになる確率
世帯主ががんになる 世帯主ががんにならない
配偶者ががんになる 25% 25%
配偶者ががんにならない 25% 25%

という感じになります。

さて、先程の期待コストを計算すると
二人共がんになると400万円、
一方だけががんになると200万円ですから

400 \times 25\% + 200 \times 25\% + 200 \times 25\% + 0 \times 25\% + =200(万円)

という計算で、二人だから期待コストも倍の200万円
というのは分かりやすい結果ですね。

でもここで問題なのは
二人共ががんになったときです。



本当に困ったときに助けになるのが保険の役目


25%の確率で二人共ががんになる確率がありますが
そのときにかかる治療費が400万円。

一方、その他75%は一方ががんになるか
あるいは両方がんにならないわけで
200万円の備えがあれば十分です。

つまり、ざっくり言えば75%の確率で200万円以下、
25%の確率で400万円が必要になるわけですね。

この、少ない確率(25%)のために
400万円貯蓄しておかないといけないというのは
非常にお金の効率が悪いですよね。

それが3人、4人となると
600万円、800万円と金額が
どんどん増えてしまいます。


家族のために200万円の治療費を蓄えるのはいいとして
600万円、800万円はちょっとキツイですし
確率的にも過剰な備えだと言えるでしょう。


ですので、もし本当に必要とするがん保険があるならそれは
「二人同時にがんになったときに給付金がもらえる保険」
ではないかと思うのです。


同時にがんになる確率は低く、
当然保険料はその分安く済むはずです。

その上、本当に困ったときには給付されますから
保険としての価値は高くなるでしょう。


もちろん、保険の開発上の課題は多そうです。

二人ペアだとして、ペアの組み合わせが多すぎるとか
夫婦といっても離婚したらどうなるのかとか
考えたら頭が痛くなりそうです。


でも、保険の価値を高めるのが
保険会社の社会的役割だというなら
一考ぐらいに値するのではないかと思うのです。


妥協案としてのがん保険


さて、理想論をぶったところで
実際にはそんながん保険はないわけですから
どうすればいいか困ってしまうわけです。

そこで、子供をお持ちの世帯を考えると
子供に関して言えば、未成年の間だけ
がん保険をかけておくという考えはアリだと思います。


というのは、がんというのは高齢期にかかることがほとんどで
未成年でがんに罹患する確率は低いからです。


例えば先程の国立がん研究センターのデータによれば
0歳児が20年後(20歳)までにがんに罹患する確率は
男女とも0.2%とかなり低くなっています。

つまり未成年でがんになる確率は0.2%であり
生涯でがんになる確率の50%に比べると
わずか250分の1しかありません。

その小さな確率のために同じ200万円を
準備するのは現実的ではありませんし
そもそも子育て期は貯蓄ができにくい時期でもあります。

ですので、子供の万一のときのために
子供にだけがん保険をかけておくというのは
十分ありえる考え方ですね。

子供が成人して独立すれば、
あとは本人に考えてもらえればいいでしょう。


ちなみに

「え?そんなに確率が低いなら
備える必要はむしろないんじゃないの?」

と思ったかもしれませんが
保険というのは「レアケース」に備えるのが
正しい考え方です。


「国民に二人に一人ががんになる時代です。
備えましょう。

◯◯生命 がん保険」

というフレーズが多用されてますから
あたかもよくある事象に備えるのが
保険かなと思われがちですが実はそれは間違い。

上の例で「備えましょう」自体は正しいですが
よく見ると保険で備えましょうとは言ってませんよね。
(そこが宣伝のズルいところです)

半分の確率で起こる事象に
保険で備えるのはお勧めできません。


まぁこれも貯蓄の額によって変わりますから
あくまでもライフプランを見ながら調整する
という話にはなるでしょうけど。


がん保険はアリかナシか?


がん保険と預貯金について
一つの視点を提供してみました。

がん保険全体がいい、悪いという
「ステレオタイプ」な考え方はお勧めしません。

あくまでも、金融商品としてしっかり検討し
状況に応じて必要なら利用してください。


ps.

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こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は20年近く。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナー(CFP®)です。アラフォー(?)、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

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