iDeCo+(イデコプラス)は社長さんの強い味方?メリットとデメリット

先日、iDeCo(イデコ)のことを調べていたら
iDeCo+(イデコプラス)という制度が
始まっていることに気づきました。
(確かに税制改正にあったのを思い出しました…)

イデコプラスは中小法人向けの新しい制度なんですが
今まで従業員の退職金や年金について
悩んでいた社長さんに朗報かもしれません。


iDeCo+(イデコプラス)ってなに?


iDeCo+(イデコプラス)制度を簡単に説明すると

  • 従業員数が100人以下で、年金制度(企業型確定拠出年金、企業年金、厚生年金基金のいずれも)を持っていない事業主が

  • iDeCoに加入している従業員の掛け金に、事業主側からマッチングできる(従業員の同意が必要)

という制度です。

イデコプラスパンフレット(PDF,厚生労働省)


今まで全く年金制度が無かった中小企業にとって
新たな選択肢としてイデコプラスが
使えるようになったわけですね。

イデコプラスの詳細は
中小事業主掛金納付制度|イデコ公式サイト
を御覧ください。

またイデコプラスではなく「イデコ」そのものについては

2017年から皆年金の個人型確定拠出年金(個人型DC/iDeCo)で気をつけるべきこと。



などを参照ください。


では早速イデコプラスのメリットとデメリットを
見ていきましょう。


iDeCo+(イデコプラス)の従業員と事業主のメリット


イデコプラスには従業員と事業主の
それぞれにメリットがあります。


イデコプラスの従業員メリット


iDeCoに加入している従業員は今まで独自に
「給与」からiDeCoに拠出してたわけですが
そこにさらに会社から追加拠出が期待できます。

月拠出上限は23,000円のままですが
従業員拠出と事業主拠出を合わせて
上限まで拠出が可能です。

例えば従業員が13,000円、
事業主が10,000円拠出すれば
月23,000円の拠出が実現します。

また事業主拠出分について
その従業員の給与額は増えませんから
所得税、住民税および社会保険料が
増える心配もありません。


可処分所得は減らず、老後資金が増えるわけですから
従業員にとって純粋に嬉しいですよね。



イデコプラスの事業主メリット


事業主側のメリットは掛け金を
全額損金に算入でき、新たに節税ができることです。

給与を増やしても同じく税金は減りますが
単純に給与を増やすのとは異なり
iDeCoですから確実に老後資金にできます。
(金遣いの荒い従業員とかいるとハラハラしますよね…)

定着率の向上にも寄与するかもしれません。

また上で書いたとおり給与所得は増えませんから
源泉徴収額や社会保険料の計算は従来どおりです。


従業員の福利厚生の充実を考えるなら
iDeCoプラスも良い選択肢になるのではないでしょうか。


またあくまでもiDeCo(「個人型」確定拠出年金)
を利用する制度ですので
イデコプラス導入後のランニングコストは
事業主にはかかりません。

(労使合意したり書類を準備したりと
手間は、かかります)

企業型確定拠出年金などですと
ランニングコストがかかって結局導入できない
という話も聞きますが、iDeCo+で
これを解決できる可能性があります。



iDeCo+(イデコプラス)のデメリット


逆にデメリットはないのでしょうか。

イデコプラスの従業員デメリット


一見、従業員にはデメリットがないようにも見えます。

しかし事業主拠出を得るためには
iDeCo(イデコ)に加入する必要があり
イデコに加入せずに事業主からの拠出を
得ることができません。

理由があってどうしてもイデコに
加入できない、したくない従業員がいる場合
他の従業員との不公平感が出てくる可能性はあります。


なお、デメリットとはいえませんが
所得控除になるのは従業員拠出のみで
事業主拠出分については所得控除にはなりません。


イデコプラスの事業主デメリット


イデコプラスを始める際には
「労働組合もしくは労働者の過半数を代表する者の同意が必要」
とあります。

もともと中小企業対象ですから
大人数の同意は必要なく、その分ハードルは低いとは思いますが
労使でしっかりと話をする必要はあるでしょう。

単にイデコプラスの同意を取るというよりは
これを機に老後の資産設計やライフプランなど
従業員の資産形成に関して意識を持ってもらう場
としてもよいかと思います。


また、イデコプラスの制度が始まったら
事務手続きの負担が増えます。

加入者掛金(原則給与天引き)と事業者掛金を
「事業者がとりまとめて」iDeCoに納付するとありますから
事業主の事務負担は確実に増えますね。

また従業員の増減、氏名の変更、事業主掛金額の変更などは
都度報告しなければなりませんし、これらがなくとも
年1回現況報告も必要なようです。


まぁイデコプラスに関わらずどんな制度でも
事務負担は増えるでしょうから
これは仕方ないことだと思います。



iDeCo+(イデコプラス)の課題


課題は「普及」だと思います。

イデコプラスはホントに地味な制度で
金融機関側はiDeCo+を
導入してもらったからといって
特に儲かりはしません。

多少、従業員のiDeCo加入者が増えるかな
という程度ですが、iDeCo+がなくとも
iDeCo加入者は現在ぐんぐん増えていますから
iDeCo+を普及させようというインセンティブは
ほとんど働かないんじゃないでしょうか。

あとは管轄の厚労省がどれだけ普及宣伝に
力を入れるかでしょうけど、今の所
WEB上の告知ぐらいで目立った動きはありません。


ということで、中小企業の社長さんは
見つけたもの、やったもの勝ちですね。


僕も将来法人化したら検討してみたい制度です。


ps.

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工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は20年近く。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナー(CFP®)です。アラフォー(?)、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

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