iDeCo受け取り時の税金対策、他の退職金と別々に受け取った場合の補足。

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こんにちは。林FP事務所の林です。

先日、iDeCo(個人型DC)の受け取り時の課税関係について記事にしました。

今日はそれに軽く補足しておきます。

ちょっとマニアックかもしれませんが、iDeCoに限らず企業型DC加入の方も役に立つ内容です。


退職金等の受け取り時課税関係


退職金などを受け取る場合の課税関係の基礎については、こちらの記事に詳しく記しました。

課税関係がまだよく理解できていない方は、まずはこの記事を参考にしてください。

退職金の税金、いくらまでならかからない?退職金の仕組みを基礎から学ぼう!




また、iDeCo(もしくは企業型DC)と退職所得の課税関係のシミュレーション例が、こちらの記事にあります。


確定拠出年金と退職所得の課税関係をシミュレーションしてみました。どれがお得?



退職金とDCを両方同時に受け取った場合の税額シミュレーション、退職金とDCを「別々」に受け取った場合の税額シミュレーションをそれぞれ行っています。


同時に受け取った場合はいいのですが、別々に受け取る場合に、少々テクニックがあるようです。

なお、こちらの書籍を参考にさせて頂きました。


とても分かりやすく、良い本だと思うので、iDeCoに興味のある方は手元に1冊あると便利です。



「退職所得控除」枠の計算方法


年金として受け取る場合は、企業年金、老齢年金、確定拠出年金にかかわらず、雑所得として合算し、公的年金等控除額を差っ引いて総合課税されます。

ですのでそこに節税の工夫はほとんどありません。


一方で、退職金として受け取る場合、退職所得控除が使えますから、勤続年数が長い場合や、iDeCoへの加入期間が長い場合は魅力的です。


で、退職金等とiDeCoを別々の年に受け取る場合以下のルールがあります。

  • iDeCo(もしくは企業型DC)を他の退職一時金よりも後で受け取る場合、最後に受け取った退職一時金等から15年以降

  • 企業年金や小規模企業共済等を一時金として受け取る場合、最後に受け取った退職一時金等から5年以降

に受け取るのであれば、重複した期間も、退職所得控除の計算の期間として認められるんです。

????

ややこしいですね。

税金というのは本当に面倒です。


だからこそ、知っておくとものすごく得をする場合があります。


普通、種類の違う退職一時金を別々の年に受け取る場合、それぞれの期間は重複する部分を除くのが基本です。


退職所得控除というのは年数だけで決まるものですから、この重複部分を除かないと、極端な話、1年ずつずらして別々に受け取ったら完全に非課税で受け取れてしまうこともあるからです。

例えば、30年間の退職所得控除は1,500万円ですが、今、退職一時金の総額が3,000万円あるとして1500万円ずつ1年ずつずらして受け取れば課税されないということになってしまいます。

この抜け穴を防ぐために、通常は後に受け取る方の重複期間を除きます。


ですが、上で書いたように、確定拠出年金では15年その他の年金では5年、あければ重複期間を除かなくてもよいというルールがあるようです。


ルールの説明ばかりでは理解しにくいかもしれませんので事例で考えてみましょう。

受取り事例その1:退職一時金を後で受け取る


iDeCoを60歳で一時金として受取り、会社勤務は継続して退職一時金を65歳で受け取った場合。

iDeCoの受取から5年が経過していますから、65歳の退職一時金はまるまる勤続年数分の退職所得控除が使えます。

受け取り時の節税メリットがかなりありそうですね。

ただ、DCは70歳まで運用可能ですので、60歳で受け取ると利益非課税の恩恵はその後受けられなくなりますから注意が必要です。

60歳以降もNISAは使えますから、そういう非課税枠で代用しても良いかもしれません。

ただし来年からのつみたてNISAですと年40万円ですから、DC受け取り後の受け皿としては少々物足りないですね…。


受取事例その2:iDeCoを後で受け取る


逆に、企業の退職一時金を受け取った後、iDeCoを受け取るパターンを考えてみましょう。

僕みたいに早期退職して独立するような場合、45歳までの独立なら、iDeCoを60歳で受け取っても15年以上間が開きますから重複期間が除かれません。

もしiDeCoを30歳から始めていれば、30年の退職所得控除がフルに使えますね!
(ニヤリ)

この場合、1,500万円の控除です。

iDeCoを70歳で受け取るつもりであれば、55歳までの早期退職でもこの方法が使えますね。

仮にこれを知らずに間違えて14年後にiDeCoを受け取ってしまうと、重複期間が除かれ、(大抵は)14年間の控除しかつきません。

その場合、560万円の控除になります。


たった1年違うだけで1,500万円と560万円。

940万円もの差となるわけですから、知らないというのは恐ろしいですね…。

(税率10%としたら、税額47万円もの差になります!)


なお、上記事例はかなりざっくりした説明ですが、こちらの記事により詳細な事例紹介をしています。

興味があれば、こちらの記事もぜひご覧ください。

【ケース別徹底解説】iDeCoと退職金の税金と上手な受取り方




まとめ


今日は簡単に退職所得の課税関係を補足しました。

それにしても、DCは15年必要で、その他の退職一時金は5年というのはちょっと差が大きいですね。


気をつけたいところです。


iDeCoの残高が大きい場合、退職所得控除がどこまで使えるかは結構大事なポイントになってきますから、こうした受取戦略も考えていきたいですね。


もちろん、節税のためにライフプランを組むというのは本末転倒ですから、まず希望するライフプランを立て、それから節税というのが正しいステップです。


60歳から70歳まで、資金ショートしないようにしっかりとプランを立てておけば、iDeCoを受取る年はご自身でコントロールできますから、節税も含めて上手にプランニングしてくださいね!


上手なプランニングとは、つまりこういうことです。



ps.

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工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は20年近く。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナー(CFP®)です。アラフォー(?)、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

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