僕はSBI証券のiDeCo(イデコ)を使っていますが
そのSBI証券から除外運用商品(予定)の
お知らせがありました。
除外予定運用商品って何?
これからどうしたらいいの?
おすすめの投資信託は?
いろいろ疑問が湧くと思いますが
少し詳しくお話していきます。
目次
SBI証券のiDeCo(イデコ)はSBIベネフィット・システムズが
業務委託を受けて実運営していますが、
運営管理機関(いわゆる運管)はSBI証券となります。
そのSBI証券から2018年8月に
「SBI証券 iDeCo運用商品の除外に関するご案内」
という封書が届きました。
既にSBI証券でiDeCoを始めている人には
順次同じ書面が届いているかと思います。
これからiDeCoを始めてみたいと考えている人や
書面を見たけどいまいち何をすればいいか
よく分からなかったという人のために
少し詳しくご説明しますね。
あと、今後除外されていく運用商品がありますから
iDeCo内の投資をどのように進めていくべきか
これからどのような運用商品を選ぶべきか
おすすめの投資信託はなにかなどについて
お話していきます。
「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」が施行され
その中で運用商品の上限数が35本に決まっているため
それに合わせるために運用商品を除外
つまり法律に基づいて減らすとのことです。
法律が成立した時点で決まっていましたが
2018年5月1日より施行されたため
運管であるSBI証券が具体的に動き出したわけですね。
ところでなんで運用商品数の上限が
35本になったのでしょうか。
これには理由があってイデコでは運用指示しない人がいたり
元本確保型が半数以上を占めてしまうなど
「長期運用の制度としての問題点」を
かかえていたんです。
そこで法律を改正するにあたり専門家間で議論しているうちに
商品数が多すぎて運用できなくなるなら
本数を減らせばいいのではないか、
という方向に進んでいくことになります。
ただ、じゃぁ何本にするのが妥当なのかという
根拠が必要になってきますがこれについて
厚生労働省が示した「運用商品提供数と不指図者の関係について(企業型年金)」の調査資料によって、運用商品数が36本以上になると不指図者の割合が急速に高まるという実態が示されたことで「35本」という数値が明確に意識されるようになった。
ということで、加入者は36本以上になると
商品を選ぶことができなくなるというデータから
35本に決まったという経緯のようです。
上限35本という数字にはちゃんと理由があったんですね。
こうして背景を知るのも、面白いです。
現在SBI証券のiDeCo内には運用商品が67あり
35以下にするためには最低32の運用商品を
減らす必要があります。
SBI証券からの書面には除外対象運用商品(予定)として
29の商品が掲載されていました。
32に届いておらず、今後さらに除外対象商品が
増えると思われます。
またあくまでも除外「予定」ですので除外商品自体が
変更される可能性もあります。
実際に除外されるためには保有している投資家の
2/3以上の同意が必要になるそうですので
まだまだ変動の可能性はアリそうですね。
なお、除外完了までの猶予期間が5年間あり
2023年までの措置と、若干気の長い話ではあります。
ですが、以下でもお話するとおり
iDeCoは必然的に長期運用となりますので
今後5年間で起きる商品数削減に
今から備えておく必要があります。
iDeCoには大きく
このうちSBI証券では
元本変動型商品の26本
元本確保型商品の3本が
除外予定となっているとのことです。
ここで除外予定運用商品を掲載してもいいのですが
あくまで予定ですし、この書面は契約者だけに
配送されているようですので掲載はやめておきます。
こちらに掲載されていました。
参考にしてください。
除外予定運用商品の傾向を調べるため
元本変動型商品について、各資産クラス毎の
除外予定商品の信託報酬率について調べてみました。
資産クラス | 除外対象数 | 信託報酬(最低) | 信託報酬(最高) |
---|---|---|---|
国内株式 | 6 | 0.27 | 1.5336 |
国際株式 | 3 | 0.3024 | 2.0972 |
国内債券 | 1 | 0.594 | 0.594 |
国際債券 | 5 | 0.2268 | 1.35 |
国内REIT | 2 | 0.594 | 1.08 |
国際REIT | 2 | 0.3504 | 0.5724 |
バランス | 6 | 0.54 | 1.9049 |
コモディティ | 1 | 1.9049 | 1.9049 |
合計 | 26 |
信託報酬だけを基準に選んだわけではないでしょうけど
概ね、除外対象予定商品では
信託報酬の大きな運用商品が目立ちました。
残った運用商品の最低信託報酬はこれらより低く
ほぼ、信託報酬の低い商品が残された形となっています。
ただ、例えばバランス型ではとあるシリーズが
バッサリ除外予定となっていたりして
単に信託報酬だけの理由ではなさそうです。
これを機に外させてくれといった
運管と運用会社との交渉なども
当然あったに違いありませんしね。
元本確保型商品については
3商品が除外予定となっていました。
元本確保型はもともと4商品しかありませんでしたので
残る予定は定期預金1商品となっています。
年金保険は全滅の予定とのこと。
まぁ、超低金利時代で積立年金の優位性も
薄れていましたから致し方なしかもしれませんね。
なお除外予定理由については
SBI証券から開示されていませんので
上記は僕個人の印象です。
あくまで除外予定とはいえ
信託報酬の大きな投資信託は
除外されていく傾向だろうことが
分かってきました。
となれば、今後除外されずに済みそうなのは
信託報酬の低い、低コストインデックス投信
ということになりそうです。
これは世の中の趨勢に一致していますし
長期投資であればコストに敏感にならざるをえませんから
順当な方針ではないかと思われますね。
もともと、低コストを志向してたiDeCo投資家なら
今回の除外対象の運用商品には投資していなかった
可能性が高いと考えます。
今後もブレずに低コスト志向で
運用商品を選ぶのが良いかと思います。
SBI証券のiDeCo契約者にはリストが届いていますから
少なくとも除外予定の商品は避けた方が無難でしょう。
今後投資家の意思表示次第では残る可能性もありますが
そのような可能性にかけるだけの価値があるのか
考えてみれば自然と答えは出るはずです。
なお、除外予定の商品を既に保有している場合は
2018年4月30日時点の保有数量までは
仮に除外決定となっても、継続して運用が可能なようです。
(それ以上の数量については、除外決定後に現金化される予定)
ですので、どうしても投資を継続したい場合は
上記の条件で継続は可能、新規買い付けは不可
ということですね。
ところで、文書には現金化って書いてますけど
iDeCo内では現金での保有はできないはずで
(必ず、何らかの商品を保有する必要があります)
無難に定期預金にスイッチングされるという意味かなと思いますが…
ただ定期預金にも落とし穴があり
同じ金融機関の預金口座残高の合計が
1,000万円を超える分については
元本保証がされません(ペイオフ)。
これはiDeCo内だけでなく
同一金融機関なら普通預金口座なども
合算します。
預金額が大きい人は、
一応気をつけておいてくださいね。
まだあくまでも「予定」なので
引き続き注視していきます。
iDeCo内の運用商品は
いつでも好きなときに
何度でも変更ができます。
商品変更のことを「スイッチング(預け替え)」といいます。
iDeCoサイトのメニューでも
スイッチングという用語が使われていますから
これは覚えておくしかありません。
SBI証券での具体的なスイッチング手順については
例えばこちらの記事も参考にしてください。
ところで「スイッチング」と「配分割合変更」
の違いは分かりますか?
スイッチングは先程も説明したとおりですが
既に保有している商品から、別の商品に
預け替えする手続きのことです。
スイッチングとは具体的に
契約者は売却商品と売却数量、購入商品を指定するだけで
あとは運管側が勝手に手続きを進めてくれるので
なんら難しいことはありません。
WEBからポチポチと手続きするだけ
ほんの数分で終わる作業です。
また、よくiDeCoには3つの税制優遇があると言われますが
3つのうちの一つがこの「利益非課税」です。
ただし投資信託独自に「信託財産留保」という
売却時にかかるコストがありますので
ここは目論見書を読んで確認しておきましょう。
スイッチングとは別に「掛け金の配分割合」とは
毎月拠出する金額のうち、何%でどの商品を新規購入するか
その割合のことをいいます。
全ての掛け金は定期預金を含む必ず何らかの商品を
購入しなければなりませんので、掛け金の配分割合は
必ず合計100%となります。
新規購入で売却はありませんから
上記の利益非課税とも無関係なんですね。
この、配分割合を変更することもできます。
(略して配分変更ともいいます)
配分変更には手数料もかかりませんし
運管にもよりますが回数制限も
それほどありませんから
基本的にいつでも自由にできます。
例えば除外予定の運用商品を
毎月積立ているような場合で
今後は積立てたくないとすれば
この配分変更で対応できます。
さらに、除外予定の運用商品は
今後保有したくないということであれば
スイッチングして他の商品に
預けかえすればいいでしょう。
このようにスイッチングと配分変更を
目的にあわせて使い分けてください。
除外予定の運用商品(投信)が開示されたことで
今後どのような商品を選択すればいいのか
一緒に考えてみましょう。
iDeCo(イデコ)は最短でも60歳まで
引き出し利用ができません。
↓
したがって、必然的に長期運用、長期投資となります。
上で除外予定商品を分析したとおり
より低コストの運用商品(投信)が
残る可能性が高いと考えられます。
そのため、除外予定商品として指定されていない
より低コストで同様のインデックスファンドへ
スイッチングされるのがいいでしょう。
具体的には、各資産クラス毎に保有している
投信があって、かつそれが除外予定であれば
より低コストの同等のインデックスを用いた
投信へ全額スイッチングがお勧めです。
例えば日本株式クラスでTOPIX運用されていたなら
同様にTOPIXをベンチマークとするインデックスファンドへ
スイッチングするという感じですね。
もちろん、現在保有しているものがアクティブファンドであれば
同様のファンドが見つからないかもしれません。
その場合は継続保有も選択肢となりますが
除外決定となれば、5月以降の積立数量分は
現金化される予定となっていることに
留意してくださいね。
バランスファンドの場合は少し複雑ですが
こちらも同様の資産割合のバランスファンドがあれば
そちらにスイッチングしてもいいでしょう。
低コストならなおよしです。
スイッチングと同時に、配分変更も忘れずしておいてください。
配分変更しなければ、スイッチング後も
スイッチング前の商品を購入し続けることに
なってしまいます。
投資の考え方は一つではありませんから
ここでお勧めの投信には独断も入っていますが
以下は主にコストを重視した投信メインで
SBI証券のiDeCo内にある運用商品をご紹介します。
除外予定の傾向からみれば
低コストファンドが生き残る可能性は高く
そういう意味でもお勧めになります。
以下、【資産クラス】ファンド名(信託報酬率)
となっていて、特に説明のないファンドは
その資産クラス内で最低コストとなっています。
余談ですが、除外予定ファンドの中には
信託報酬が最大1.35%のファンドがあります。
まぁ、債権もいろいろですからなんとも言えないですが
世界的な低金利下でこのコストはちょっと…
最も低コストなバランスファンドは
「バランスDCインデックスバランス(株式20)(0.1836%)」
ですが、バランスファンドは複数インデックス(指数)の
ミックスですから、一概に最低コストがいいとは言えません。
8資産均等割合型で、最も低コストといえば
iFree 8資産バランス(0.2376%)になります。
無難なバランスファンドとしてこちらを掲載しておきます。
ちなみに、元本確保型商品で残る予定の商品は
「あおぞらDC定期(1年)」となっています。
「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」が施行され
その中で運用商品の上限数が35に決まっているため
それ以上の運用商品は除外していくとの連絡が
SBI証券からありました。
SBI証券のiDeCoは運用商品数も
業界内で最大級でしたから
インパクトも大きかろうと思います。
ただしまだ予定の段階で、SBI証券からの文書も
「予定の連絡」だけです。
今後流動的な面も多いですし
猶予期間が5年とやや長めですから
継続的に情報収集していきましょう。
なお、スイッチングや配分変更は
まだまだ流動的だと考えるなら
急いでやる必要はありません。
もしスイッチングや配分変更をするなら
本記事も参考にしながら進めてくださいね。
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