外貨建て保険を買うことが、一体何に賭けることになるのか、ご存知ですか?

外貨建て保険をお持ちの方が、
相変わらず多いですね。

恐らく、投資目的で契約されていることが多いと思いますが、
正しく理解している人はそう多くは無いと思います。

実態はどうなのか?
見ていきましょう。


外貨建て保険というのは、何に対する投資なのか?


実のところ、外貨建て保険に限らず、
外貨預金でもFXでも同じことですが、
そうした商品を保有、契約するということは
例えば保険としての機能を求めているのではなく、
何らかのリターン(利益)を求めていることが
ほとんどだと思います。

ということで、保険というネーミングは置いておいて、
ここでは投資として考えてみましょう。

外貨建て保険というのは、非常に大雑把に言えば、
外貨を保有しているだけです。

商品説明としては

  • 日本よりも金利が高いため、運用益が見込める
  • 外貨保有で、資産分散の効果が期待できる

というようなことがよく言われているようです。


ただし投資ですから、これらの説明を鵜呑みにすること無く、
きちんと検討、検証していきましょう。

カバー付き金利平価説は成り立つ→つまり、外貨の金利には期待できないということ。


少し勉強された方なら、
「金利平価説」というのは
聞いたことがあるかと思います。

金利平価説(Wikipedia)

これはあくまでも説なので、
現実世界で完全に成り立つ理論ではありません。

外貨なら何でもよくて、ドルでも豪ドルでもいいのですが
ここではドル円で考えてみましょう。

ドルで運用したいと考える場合、
それが将来的に円で持つよりも
利益になるかどうかが問題ですよね。

将来のどの時点かという話もありますが、
シンプルにするために1年後とします。


金利平価説の中で、
成り立つのは「カバー付き金利平価説」といって、
例えば1年後に約束した為替レート(フォワードレート)で
ドルを売却するとした場合、
円で運用してもドルで運用しても
利益は変わらないよ、ということなんです。


頭が痛くなってきたかもしれませんが(笑)
細かい専門用語とかは覚えなくても構いませんので、
概念だけ把握してくださいね。

将来約束された為替レート、つまり、
為替リスクの無い世界においては、
どの通貨を所有したとしても、
現時点でも将来の時点でも、利益は変わらない

という重要な事実をまずしっかりと覚えてください。


でも、外貨建て保険には為替リスクがありますよね。

もしあなたに利益があるとしたら、
為替の「リスク」を負った見返りとして
得られる利益があるかもしれない、
ということなんです。


大事なところなので、もう一度言いますよ。


得られるかもしれない利益の源泉は、
為替リスクであり、金利ではない、
ということです。



ここまで読んで
「あ、ヤバイな」って思いませんか。


ほとんどの方は、
ドルの金利が高いから、とか、
豪ドルの金利が高いから、とかいった理由で
外貨建て保険や外貨を所有しているはずです。

でもその実、投資として得られる利益は
金利とは関係ないというわけですから
一体何やってんだ、って話なんですね。


為替リスクで利益が得られるのか?


ではもう一歩進めて。

上記で、利益の源泉が
為替リスク(かもしれない)ということが分かってきました。


でも、本当に為替リスクを負うだけで
利益が得られるのでしょうか?


これについては諸説あると思いますが、
物事はシンプルに考えると本質が見えてきます。

そもそも、為替リスクって何でしょうか。


例えばあなたが、100万円を払って1万ドルを購入し、
1万ドル所有したとします。

そうするとその1万ドルには為替リスクがある、
といいます。


確かにありますよね。
なぜならあなたは「日本人」だからです。


一方で、最初に100万円を払って1万ドルを購入したとき、
1万ドルを払って100万円を購入した人が居るはずです。

例えば相手が米ドルが法定通貨の国の人、
例えば米国人だったとして、この米国人は
100万円を所有することで「為替リスク」を負います。


なぜなら彼は「米国人」だからです。


上記の取引例では、
1万ドルと100万円をお互い交換し合うことで、
お互いが為替リスクを負うことになります。

さてここで、
「為替リスクを負うことで何らかの利益が得られる」
としましょう。


となると、あなたと米国人は、共に「利益」を得ることになります。
だって、両者共に為替リスクを負っているわけですから。



はい。

鋭い人はもうお気づきかもしれませんが、
このような説に立てば、なんと互いに通貨を交換し合うだけで、
他の活動はなにもすることなく、
世界の富が膨れ上がっていく、という結論に達します。

今やFX等を使えば、一瞬で外貨を購入できますので、
なんとお手軽な資産運用なのでしょう!


でも、現実はそれほど甘くはないでしょうね。

利益というのは本来、
何かしらの新しい価値を生み出し
その対価として得られるものです。

あなたが米ドルを所有することで、
例えばあなた自身が米ドルを利用する新たなビジネスを始めた
対価としての利益なら、よくわかります。

でも、通常米ドルを所有するだけでは
それは何の価値も生み出さないはずです。

なぜなら、米ドルを所有して価値を生み出すかどうかは
非常に属人的だからです。

例えばあなたが、日本人であっても
米ドル通貨の国に住んでいるとしたら?

先程の取引は、為替リスクを負うことではなく、
逆に為替リスクを無くす取引になるはずです。

全く同じ取引にも関わらず、
人や状況によってリスクの度合いが異なるということは
そのリスクは属人的になります。


ということは、利益を生み出すには
やはりあなたがその米ドルをどうするか?
にかかっていると言えるでしょう。


海外通貨を所有することの意味は?


では、2番目のメリットと言われている
「資産分散の効果」についてはどうでしょうか。


これについては、確かに一定の効果はあると思います。

我々日本人が、日本円だけを所有していたら、
やはり「日本」1国だけのリスクを負ってしまいます。

一蓮托生と言われればそれまでですが、
できれば国が傾いたとしても、なんとか
生きていきたいと思うはずです。

となれば、外貨を分散所有することにも
一定の理があります。


でも、ちょっと待って下さいよ。


だからといって、
「大量の」ドルや豪ドルを所有することが、
果たして資産分散になるのでしょうか?

むしろ、特定の外貨に一極集中してやいませんか?


それならもう、本末転倒です。


リスク分散というのは、
程よくたくさんの通貨を所有することで
達成されるはずです。

日本だけのリスクを避けたくて、
米ドルだけのリスクを負っていたら、
何やってるのか分かりませんよね?


だったらどうすればいいのか?
ですが、

一つ一つ、たくさんの外貨を少しずつ所有してもいいですが
手続きが面倒ですし、そもそもそういう買い方は
コストが高く付くことが多い。


だったら、シンプルにインデックス運用で
いいんじゃないでしょうか?

海外株式に分散投資するインデックスであれば、
一緒に通貨も分散されることがほとんどです。

そもそも外貨を所有することだけでは
一般に価値を生み出せないことを
上で既に確認していますので

運用と考えるなら利益を生み出す主体、
株式会社がその典型ですが、そうした投資先に
分散投資するのがやはり筋かと思います。


実はこのことに気づいている人が、
まだまだ少ないのではないか?

と最近思うようになりました。


外貨建て保険や外貨所有の効果まとめ



  • 外貨の持つ高い金利によるリターンは、実は期待できない
  • 為替リスクは属人的で、そこからのリターンは普遍的ではない
  • 資産分散するなら、インデックスという方法が楽で合理的なことが多い



ということで、
外貨建て保険だけでなく、
外貨を所有するということについて
一度じっくりと検討してみてください。


※ 本記事は特定の商品をお勧めするものではありません。投資はあくまでも自己責任でお願いします。


ps.

努力や投資法とは無関係に、こんなに資産が変わることはご存知でしたか?

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コメントは2件です

  1. ニコ より:

    信頼しているfpから、米ドル建一時払い終身保険を勧められています。林さんはじめいろんな方がよくないというご意見。どうなのかなあ、と思いちょっとざわざわです。

    • より:

      ニコさん

      こんにちは。

      契約されるかどうかはニコさんの判断次第ですが、
      迷うなら、一定期間、例えば数ヶ月等、
      あけてじっくり勉強しながら考えるのも手ですね。

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こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は10年以上。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナーです。アラフォー、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

子どもにも安心して教えられる資産運用法を中心にお伝えしていますが、まだまだ「投資=難しい&ギャンブル」「投資=売買でドキドキ&忙しい」と誤解している方も多く、長期投資の考えを広めていけたらと思っています。

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