子がいる自営業さんの確定申告「節税ワザ」とは?

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確定申告書等作成コーナー

こんにちは。林FP事務所の林です。

確定申告時期の真っ最中ですが、確定申告、終わりましたでしょうか。

僕はようやく終わりました!今年も嫁さんとクラウド会計ソフト、それから「確定申告書等作成コーナー」の力を借りて、無事申告できました。(ありがたい限りです)

確定申告をしながらちょこちょこ工夫した部分がありましたので、その点について今日はお伝えしていきたいかなと思います。

なお子供がいる自営業(個人事業主)というのはもちろん僕のことです。笑


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所得控除と税額控除


節税の話に入る前に、少しだけ基礎知識を。

税金を計算する際にはまず収入を考えるわけですが、この収入から「税金をかけない金額分」をどんどん差っ引いていきます。これを「所得控除(しょとくこうじょ)」といいます。

所得控除の種類はたくさんありますが、サラリーマンの方に一番身近なのが「給与所得控除」です。今回の記事はサラリーマンではなく個人事業主を対象としてますので、給与所得ではなくて(恐らく多くの方は)事業所得になり、収入から経費を差し引き、さらにそこから所得控除していきます。例えば事業所得の基本的な控除の1つに「青色申告特別控除」などがあります。

一方で「税額控除」というのがあります。これは所得から計算される税金から、直接差し引くもので、例えば「住宅ローン控除」や、みなさんおなじみの「ふるさと納税」による「寄附金控除」などがこれに該当します。


節税効果としての考え方ですが、所得控除の効果は、控除した金額に「税率」を掛けて考えます。厳密ではないですが、大雑把にはこれでOK。例えば所得が330万円超から695万円以下なら所得税20%+復興特別所得税で、住民税が10%と合わせて約30%の税率になります。

No.2260 所得税の税率(国税庁)

(ただし、税額は単純に所得の30%にはなりません。あくまでも節税効果の視点での考え方です)


となると、所得控除額が10万円増えたら、その約30%、3万円の節税になると大雑把に考えればOKです。

一方、税額控除は100%そのまま節税になりますね。ただしふるさと納税のような場合は既に寄付した分を税額控除で差し引くだけですから、トータル節税になっているわけではありません。ってのは既にご存知のことかと思います。


今回題材にするのは、「社会保険料控除」と「医療費控除」です。これらも所得から差し引くという意味で、所得控除の仲間ですから、節税効果は所得額とその税率に応じて変わってくる、という前提を押さえておいてください。

国民年金の2年前納制度を活用する


さて、国民年金保険料には前納制度があるのをご存知ですか?

前納すると割引が受けられる非常にお得な制度で、払えるならぜひ使って欲しい制度の1つです。例えば2年前納した場合2年分の国民年金保険料を一気に払うことになりますが、保険料が大幅な割引になります。

2017年からはクレジットカードによる前納もできるようになり、クレカのポイント還元込みで考えるとこれが最も割引率の高い支払い方法ですね(ポイント還元率が1%として)。

国民年金保険料 2年前納制度

2年前納の割引額は14,520円(クレカ払いの場合)と、なかなか無視できない金額です。

大幅割引といっても約3.7%、クレカの還元ポイントが1%なら合計約4.7%ですが、現状0.1%にも満たない預金金利から考えると、非常に大きな割引率ではないでしょうか。4.7%の確定的な運用益だと考えれば、やらない理由が見つかりません。

なお、国民年金保険料をどう払うかの選択肢はありますが、払うか払わないかという選択肢は(特定の条件以外は)ありません。義務ですからね。

特定の条件とは、所得が規定以下なら、保険料が全額免除や半額免除になる場合があります。詳しくはお近くの役所までお問い合わせください。


ところで、2年前納してもらえる控除証明書の裏に、以下のように書かれています。

前納により納めた国民年金保険料について社会保険料控除の適用を受ける場合は以下の方法のいずれか一つを選択していただくことになります。



つまり2年前納した場合は確定申告する時に前納した年の社会保険料控除額を以下のパターンから選択することができるんです


前納した年に一気に控除 前納した年を含め3年かけて控除
前納した年 24ヶ月分 9ヶ月分
翌年 0 12ヶ月分
翌々年 0+新規納付分 3ヶ月分+新規納付分

要は、前納した年に一気に所得控除するか、3年かけてゆっくり控除するかを、前納した年が終わってから選択できるんですよね。


さらっと書きましたが、コレ、実はスゴイことだと思うんですよ。

だってね、普通何かを選択するときは「あらかじめ」という条件が多いですよね。というか、ほとんどの場合、選択肢すら無い。

それが、国民年金保険料の2年前納制度に関しては、前納した翌年に、控除方法を自由に選択できるとは、粋なはからいじゃないですか。笑

というのも、一気に控除するか、3年かけて控除するかは「その年と翌年以降の売上次第」という側面があります。2年前納制度では、その年の売上が確定してから控除方法を選択できるわけで、有利な選択ができる可能性が高まりますよね。

ということで、今回僕もどちらが有利かを考えて、選択しました。

もちろん、まだ分からない今年の売上次第という面はありますが、ある程度売上予測は立ちますから、それほど大きく外すことは無いかと思います。


医療費など大きな控除が見込めるならそれと組み合わせて考える

医療費
まずは2年前納制度のメリットを見ましたが、これと組み合わせて考えて欲しいのがその他の大きな控除計画です。

控除って毎年だいたい決まった額になると思いますが、一時的に大きな控除となる場合もあります。例えば、子供の歯の矯正治療。

大人の矯正治療は医療費控除適用外ですが、「発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正」等の場合、医療費控除として認められます。

No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例(国税庁)

見た目を美しくするための矯正は対象外ですが、子供の成長を阻害しないための矯正なら認められるというわけですね。

コレ、例えば学校の歯科検診で歯列矯正を指摘されて行うような場合が当てはまります。歯科医師に矯正したほうがいいよと言われてやるわけですからね。

…例えばって書きましたけど、実はうちの子がそうなんですよ…


結構な金額ですからなかなか踏ん切りがつきませんでしたが、上記2年前納制度と組み合わせて考えれば、うまいこと節税にはなるかと。と、自分を納得させております。笑

医師に指摘されて治療するのですから、自由診療ではなく保険適用にしてほしいなー、という気もしないでもないですが、現状ではそこまではできないみたいですね…。


自由診療の場合、例えば治療費50万円、医療費控除が10万円を超える部分だとすると、40万円分を所得控除できます。2年前納と同程度の金額ですから、組み合わせ方も上手に考えていく必要がありそうですね。

2年前納と治療費を一気に控除するのではなく、治療費を払う年とずらして2年前納の控除を活用すれば節税効果が高まるはずです。


確定申告等作成コーナーが便利すぎる


確定申告書等作成コーナー
余談になりますが、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が便利すぎますね。

僕はサラリーマン時代から、株の損失繰越などで使ってましたのでなんだかんだいって10年近くは使ってるはずです。その間、毎年使い勝手がどんどん良くなり、今ではほとんどストレスなく確定申告できるようになりました。

例えば今年確定申告に費やした時間は4時間です。実は、一箇所分からないところがあったのでヘルプデスクを頼ったので1時間ロスしますしたが、それがなければ来年は3時間ぐらいでできそうです。

さらに慣れてくれば、1時間や2時間でできてもおかしくはありません。

こういう経験をするたびに思うのですが、既に「数字の計算(の複雑さ)自体は問題ではない」ということですね。

税金の計算方法って迷宮のように複雑ですが、ITやらAIやらで自動化してしまえば、どんなに複雑だろうと関係なくて、一瞬で計算してくれます。

それどころか確定申告書等作成コーナーを利用して、税額のシミュレーションすら個人で簡単にできてしまうわけですね。例えば売上が変わった時どうなるかとか、iDeCoや小規模掛け金を変えたときにどうなるかとか、それこそほんの少しの手間で、ほぼ一瞬で計算できます。

となると、「何を目的とするのか」や、「そのためにどう戦略を立てるか」といった、より上位の概念が大切になってきます。

例えば税理士先生に確定申告を頼むにしても、単に確定申告だけなら、少なくとも個人にとって、あまり付加価値はないかもしれません。今や自分でやっても数時間でできるわけですから。

そうではなくて、全体を俯瞰した上で高度な節税戦略とか、経営戦略をアドバイスしてくれるなら、それは大いに価値があるでしょう。

僕もそのことは重々承知していて、例えばライフプランの依頼を受ける場合は「依頼者の目的はなんなのか?」を理解し、解決するためのヒアリングやコンサルに一番重点を置きます。

キャッシュフローはデータと計算の塊ですが、それ自体は目的を達成するための資料の1つに過ぎませんからね(もちろん、大事な資料の1つではあるんですが)。

よかったらこちらの記事も、参考にしてください。

ライフプランは保険やお金の悩みを解決するために作るんじゃないです




子を持つ個人事業主の確定申告まとめ


ようやく今年の確定申告を終えましたが、確定申告しながら気づいたことを急ぎ記事にまとめてみました。できるだけ税意識の高い確定申告期間内でと思い、慌てて書いたので少々まとまりが悪いかも知れませんがお許しください。

2年前納活用などは去年から始める必要があるので、今回の確定申告では無理かもしれませんが、国民年金保険料を漫然と毎月引き落としている場合は、一度検討してみてくださいね。


節税も大事ですが、人生全体のお金のプラン(ライフプラン)も大事です。一度しっかりお金と向き合うことで、不安が大幅に軽減されます。

お金の意識が高まっているうちに、一度真剣に考えてみてくださいね!


上記は筆者の個人的経験、および見解です。個別の税に関しては、お近くの税務署や税理士などの専門家にお問い合わせください。


ps.

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こんにちは、林FP事務所代表の林健太郎です。ブログご訪問ありがとうございます。

工学博士(阪大)、個人投資家。投資歴は20年近く。金融機関に属さず、保険・証券の販売に一切関与しない、完全独立のファイナンシャルプランナー(CFP®)です。アラフォー(?)、2児の父。

今後、日本では好むと好まざるとにかかわらず、どんどん自己責任が問われていくようになるでしょう。自助努力で資産形成していくこと、そしてその方法を中立な立場で伝えていくことが大切だと考え、独立して活動しています。

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