日経電子版に
という記事が掲載されていました。
確かに今回の局面は急落に違いありませんが、
個人投資家はこのような局面で
どう対処すべきなんでしょうか。
世間は乱高下する市場に翻弄されている、
といったムードが漂っていますが、
果たしてそれは正しいことなのでしょうか。
データを確認してみましょう。
TOPIX日々変動率ごとの発生頻度
これは、2001年から2014年までのTOPIX
(ダイワ上場投信の基準価格で代用)データを元に、
日々騰落変動率の発生頻度をグラフ化したものです。
これによれば、-2.0%から2.0%の発生頻度が圧倒的に多く、
普段はほぼこの範囲内に収まっていることが分かります。
一方、ここ数日の下落は
のように、-5.0%を超える下げでしたから、
確かにめったにないことのように思えます。
ですが、データから客観的に分析してみると、
1日で-5.0%を超える下げは過去に約0.6%存在しました。
これは、平均すると162営業日に1回であり、
1年に1回以上の割合で発生していることが分かります。
平均的には、毎年ぐらい発生しているんですね。
言い方を変えれば、毎年どこかで
大騒ぎしていることになります。
もちろん、少数サンプルには違いないので
これを平均化して議論するのは
少々乱暴なのは承知の上です。
乱高下するときは、
短期間に大きく値動きすることが多いですから
毎年というのも言いすぎかもしれません。
ですが、少なくとも頻度分析からは
過去にも一定の割合で経験したことであり、
それほど大きく騒ぐことではない
ということが分かるわけです。
このように我々は、
過去のことをよく忘れます。
過去のことをよく忘れ、まるで今回はもうダメだ
みたいな感情に支配されがちです。
これは全く逆の強烈な強気相場の場合でも同様で
今回だけは絶対大丈夫と思い込んだりもします。
(このへんのことを詳しく学びたい方は
カーメン・ラインハートらの著書「国家は破綻する」
などを参考にしてみてください。)
これは、
をよく表している事実といえます。
ですから、今回の急落を
極端に悲観する必要もないし、
極端に楽観する必要もないのです。
なら資産運用はどうすればいいのか?
という原点に戻るわけですが
結局「計画」を立ててそれを実行すること
これに尽きます。
市場の動きに一喜一憂せず、
淡々と実行していくことはつまらなくて、
とても退屈に感じるでしょう。
ですが、僕らは市場の動きに賭けているのではなく、
例えばインデックスであれば日本全体の、世界全体の
経済成長とそれに伴う「長期的な」株価上昇を期待しながら
投資しているはずです。
だから、日々の価格に一喜一憂すること自体が、
既におかしいわけです。
当初の計画を守ることが実は一番難しいと言われますが、
ある意味投資家としての仕事がそこに集約されていますので
ぜひ芯のぶれない投資を実行していってください。
え?僕ですか?
僕は年の後半に追加投資する計画になっていますから、
時期が来れば淡々とリバランスする「予定」です。^^
たまたま下がったところで追加投資できて、
たまたまうまくいくかもしれませんが、
うまくいくことは特に「予定」していません。
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